大人の発達障害っぽい夫と「離婚」ではなく「別居」を考えた理由

2021-07-28

夫に大人の発達障害に関する本を読んでみたところ、彼は「少しそうかもしれない、と思った」と言ったものの、家族関係の改善に向けて何かをしようという気はないらしい。

そんな夫の反応を受けて、一緒にいながら状況を良くしていくのは無理だ、別居したい、という思いが強くなりました。

離婚しないのは経済的な理由ではない

カサンドラの自助会に行ったとき、離婚してスッキリ幸せそうな顔をしている人もいて、「それもありだな」と思いました。

いっそ離婚してしまえば、私もスッキリしそう。

でも、いくつか懸念することがあって、別居の方が良いだろうと考えました。

多くのカサンドラさんの「離婚しない理由」は、経済的な問題だと思います。夫の養育費だけでは子どもと生活していく自信がない。そもそも養育費だってちゃんと払ってくれるか怪しい……というような話、よく聞きますよね。

私の場合、むしろ離婚した方が経済的な不安から開放されるかも、と思っています。

私はものすごく稼いでいるわけではないけれど、結婚前からの蓄えもあり、贅沢しなければ子どもと2人でなんとかやっていけるんじゃないかな〜と見込んでいます。

夫の方は、私より収入は多いけれど、すごく稼いでるわけでもありません。それなのに、使いたいだけ使ってしまう性格です。幸い、そんなにお金のかかる趣味はないし、今のところ借金はしていないみたいだけれど、銀行残高がある限りはどんどんお金を引き出すし、クレジットカードも使うけど後で明細なんかチェックしていません。

以前は水道光熱費を夫の銀行口座からの引き落としにしていたのですが、時々「残高不足で引き落とせませんでした」という通知が来ていました。「残高不足になってるよ」と言うとどこか別の口座から引き落とし口座にお金を移動したりするのですが、おそらく複数の口座にそれぞれいくら残高があるのか、把握していないと思われます。

よくASDの人はお金のことに全く無頓着か、ものすごく細かいか、どちらかだと言われますが、夫は完全に前者です。

私が「◯◯がほしいんだけど、高いから迷ってる」とか「◯◯を自分でやるのはちょっと大変なんだけど、プロに頼むと◯万円かかるからな〜」とか言うと、間髪入れず「買えばいいじゃん」「払えばいいじゃん」と言ってきます。節約という概念がないみたいです。

ADHD的な特性として、家中の電気をつけっぱなしとか、水道を無駄にジャージャー流すとかありますが、「もったいないからこまめに消して」みたいな注意は全く効き目がありません。もったいない、という感覚もないみたいです。

そんななので、生計を一にする夫婦である限り、夫の浪費の影響を受け続けることになって、私の蓄えまで減っていきそう…。

そう考えると、別れてしまった方が、経済的な面で多少きつくても見通しが立って安心な気がするのです。

心配なのは子どもへの負担

離婚に関して私が心配なのは、子どものことです。

ひとつは、「両親が離婚した」ということが子どもの心に与える影響。

いくら「離婚はあなたのせいじゃない」「パパもママもあなたの親であり、あなたを愛していることは変わりない」と言っても、パパとママが仲良くできないのはショックで寂しいだろうな、と思うのです。

ただ、どうしても私たちの関係が良くならなくて他に手段がないときは、離婚を子どもにも受け入れてもらうしかない。その上で、子どものために最善を尽くすしかないという気持ちもあります。

それ以上に心配なのは、大人になった子どもが父親のの面倒を見る事態になることです。

そんな心配をするようになったのは、ある記事がきっかけです。こんな話でした。

ある男性が、妻と離婚後に事業に失敗。その後は警備員として働いていたが腰痛が悪化。
失職して家賃が払えず、自治体の福祉事務所に生活保護の相談で何度も足を運んでいたら、「無料低額宿泊所(無低)」と呼ばれる生活困窮者を対象とした施設に入れられた。
そこは6畳のスペースを3つに仕切っただけの部屋で、基本ずっと布団の上で過ごすという劣悪な環境。男性は年金と生活保護を受けていたが金銭管理はすべて施設が行い、男性が受け取っていたのは月3万円のみ。介護が必要な状態になっても放置され、風呂にも1年入っていなかった。
男性の娘が24年ぶりに再開してこの状況を知り、施設から出ることを手伝った

このような施設を運営する人たちに憤りを感じますし、この男性の状況には同情しますが、私がショックを受けたのは、24年ぶりに再開した娘が男性を助けたということでした。

夫と子どもの間でも、こういうことがありそうだなと。

もし離婚してそのまま連絡も取らない状態になったら、夫が仕事や健康面でつまづいて生活困窮者になるという未来もありえます(節約という概念がないのと同様、病気の予防とか備えという概念もない人なので…)。

もしそうなったとして、大人になった子どもがたまたま父親の窮状を知ったら、放っておくことはできないだろうと思うのです。

子どもにそんな負担を背負わせたくはない。そのためには、離婚しないで夫の生活がガタガタにならない程度には関わり続けていった方がいいのでは、と考えました。

だけど、そのために私の幸せを犠牲にするのもイヤです。なんとか折り合いをつけるためにも、別居がいいんじゃないか、という結論にたどり着いたのです。

※夫は、私から見て発達障害の特性に当てはまるものを多く持っているというだけで、医師の診断を受けたわけではありません。義母は特に疑問を持たずに育ててきたようですし、普通に就職して働いているので、検査しても診断は下りないかもしれません。

私は、今のところ夫が「発達障害かどうか」はあまり気にしていません。ただ、発達障害のことを知ってから、それに特性に近い個性や性質を持っている夫のことを以前よりは理解できるようになったと感じています。そんな私の視点で過去を振り返ったり、今現在の別居という形での夫婦のあり方の模索の様子をお伝えすることが、同じような悩みを抱いている方のお役に立てればと考えています。

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